ADHDの特性である衝動性や初動力は、実は起業において大きな武器になることをご存知でしょうか。多くの人が「障害」として捉えがちな特性も、正しい方法で活かせば、むしろビジネスで成功するための強みとなります。この記事では、ADHDの特性を最大限に活かして起業を成功させるための具体的な方法をお伝えします。
目次
なぜADHDの人は「やらなければならない」で動けないのか
ADHDの方の多くが、「やらなければならない」という義務感では行動できないという悩みを抱えています。締め切りギリギリにならないと動けない、先延ばししてしまう、そんな経験は誰にでもあるでしょう。
これは決してあなたの意志が弱いからではありません。脳の特性として、マストベース(ねばならない思考)での行動が苦手なのです。会社員として働く場合、多くの場面で「しなければならない」という状況に直面しますが、ADHDの特性を持つ人にとって、このアプローチは非常に困難です。
さらに問題なのは、マストベースで無理やり行動しても継続できないという点です。一時的に頑張って成果を出しても、その後同じことを続けたくなくなってしまう。これがADHDの方が起業活動で最初につまずくポイントなのです。
ウォントベースの行動が成功の鍵
では、どうすれば良いのでしょうか。答えはシンプルです。「ウォント(やりたい)」で行動することです。
左登りと右登りという概念があります。右登りは「マスト」で動く階段、左登りは「ウォント」で動く階段です。多くの成功者も右登りで動いていますが、ADHDの特性を持つ人にはお勧めできません。なぜなら、継続できないからです。
左登りのウォントベースで行動するためには、マズローの欲求五段階説を理解することが重要です。生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認欲求、そして自己実現欲求という五つの段階があります。
やりたいことが見つからない、新しいことに挑戦する気が起きないという場合、多くは下位の欲求が満たされていないのです。特に重要なのが承認欲求です。自分で自分を認める「自己承認」ができていないと、新しいチャレンジへの意欲が湧いてきません。
自己承認を満たす「褒めワーク」の実践
承認欲求を満たすための効果的な方法が「褒めワーク」です。これは自分で自分を褒める、または褒められたことを記録していく作業です。
ADHDの子どもの教育現場でも、この手法は非常に効果的です。例えば、ポケモンのキャラクター育成にハマる子どもがいたとします。その子に自分自身をポケモンのキャラクターに見立てて、勉強することで「英語パワー」や「数学パワー」が上がるというイメージで記録を取ってもらうのです。
すると、子どもは自分の成長を客観的に見られるようになり、得意なことをさらに伸ばそうとします。苦手なことを無理に克服させるのではなく、得意なことを伸ばすアプローチの方が、圧倒的に成果が出やすいのです。
やりたくないことを手放す勇気
ウォントベースで行動するためには、まず「やらなければならない」という思い込みを手放す必要があります。
本当にそれはやらなければならないことでしょうか。他人や世間の価値観に縛られていませんか。ギリギリで頑張る自分に酔っていませんか。相手の問題を自分の問題だと思い込んでいませんか。
会社員として働いている場合、すべての仕事をこなそうとすると一生終わりません。自分の責任範囲を明確にし、それ以外は手放す勇気が必要です。大きなミスをしても、それは管理する立場の人の責任です。自分ができないことは「できない」と正直に伝えることも大切なのです。
絶対にやりたくないことを明確にする
やりたいことを見つける前に、まず「絶対にやりたくないこと」を明確にすることをお勧めします。これは非常に重要なワークです。
紙に、頭の中で評価せずに、絶対にやりたくないことを書き出してください。人間的にどう思われるか気にせず、自分の価値観だけで書くのがポイントです。書き終わったら、その紙を破いて捨ててください。それだけで、心理的な解放感を得られます。
やりたいことの中に「絶対にやりたくないこと」が混ざっていると、ADHDの特性を持つ人は止まってしまいます。純粋にやりたいことだけで構成された活動なら、驚くほどスムーズに進められるのです。
やりたいことを明確化する三つの質問
絶対にやりたくないことを手放したら、次はやりたいことを明確にします。以下の三つの質問に答えてみてください。
まず、やりたいこと、好きなことは何ですか。もし思いつかなければ、今まで時間やお金をかけてきたことは何ですか。それも難しければ、興味があることは何ですか。
人間は嫌なことには時間やお金を使いません。特にADHDの特性を持つ人はその傾向が顕著です。つまり、過去に時間やお金を使ってきたことの中に、あなたの本当にやりたいことのヒントが隠されているのです。
ギャンブルにハマっていた経験があるなら、そこから抜け出した方法を教えることができます。過去の「失敗」や「無駄」だと思っていた経験も、視点を変えれば誰かの役に立つ価値ある情報になります。
好きなことをビジネスに活かす方法
やりたいことや好きなことを少なくとも十個、できれば二十個リストアップしたら、それぞれから学べることやスキルを考えてみましょう。
例えば、研究をしていた経験があるなら、事実を観察して仮説を立て、考察する思考力が身についているはずです。ADHD対策を徹底的に調べた経験があるなら、自動化やツールの活用に詳しくなっているかもしれません。
ビジネスで成功している人の多くは、まったく新しいスキルでゼロから始めているわけではありません。これまでの人生で培ってきたスキルや経験を活かしているのです。一万時間の法則という言葉がありますが、プロ級のスキルを身につけるには相応の時間がかかります。だからこそ、すでに時間をかけてきたことを活かすのが近道なのです。
ただし、注意点があります。ビジネステーマを一つ決めたら、キャッシュを得るまでは浮気しないことです。興味が移りやすいADHDの特性を持つ人にとって、これは大きな課題ですが、結果を出すまで一つのテーマに集中することが成功への最短ルートです。
幸福の三つの定義とビジネス
マーティン・セリグマンという心理学者は、幸福には三つの要素が必要だと述べています。快楽が多い生活、時間を忘れて夢中になれること、そして意味のある人生です。
一日中ゲームをしている子どもを想像してください。楽しいことをしているはずなのに、なぜか幸せそうには見えません。それは、人の役に立つという「意味のある活動」が欠けているからです。
人間は人の役に立つことで、セロトニンという幸せホルモンが分泌されます。これは科学的に証明されている事実です。ビジネスにおいても、自分が誰の役に立ちたいかを常に考えることが重要なのです。
お客様視点の重要性
ビジネスでうまくいかない人に共通するのが、自分視点になってしまっていることです。「自分のコンテンツはこんなに素晴らしいのに、なぜ買ってくれないのか」という思考に陥っていませんか。
職人の世界でもよく見られる現象ですが、自分の商品やサービスに没頭しすぎて、お客様のことが見えなくなってしまうのです。結局、お金をくれるのはお客様です。コンテンツがどれだけ素晴らしくても、お客様が欲しいと思わなければ売れません。
常にお客様のことを考えてください。これが本当にお客様の役に立つのか。お客様が望んでいることなのか。この視点を持つだけで、ビジネスの成功率は大きく変わります。
潜在的なニーズを見つける
さらに重要なのが、お客様が言葉にできていない潜在的なニーズを見つけることです。お客様の要望をそのまま聞いているだけでは、お金をいただけても大きな満足は得られません。
本当に求めているけれど、できるとは思っていないことを提供できたとき、お客様の期待を大きく超えることができます。iPhoneがその典型例です。誰もiPhoneのような製品を要望していたわけではありませんが、実は多くの人がそういうものを求めていたのです。
表面的な悩みではなく、深い部分で本当に悩んでいることは何か。本当に望んでいる結果は何か。この問いを常に持ち続けることが、ビジネスで成功するための鍵となります。
ペルソナを明確にする
あなたが役に立ちたい人は誰ですか。この問いに対して、できるだけ具体的に答えてください。
年齢、状態、悩み、望む結果。最低でも五つの悩みを書き出してみましょう。潜在的な悩み、つまり深い部分で何を悩んでいるのかも考えてください。そして、できるとは思っていないけれど、本当は望んでいる最高の結果は何でしょうか。
このペルソナ設定に時間をかけることで、後のビジネス展開がスムーズになります。誰に何を提供するのかが明確になれば、マーケティングもセールスも格段にやりやすくなるのです。
セルフイメージが人生を変える
ニューロジカルレベルという概念があります。これは人間に影響を与えるものをピラミッド図で表したもので、上から順に、セルフイメージとミッション、価値観、能力、行動、環境となっています。
上にあるものほど影響力が強く、中でもセルフイメージは最も重要です。自分で自分をどう思っているかが、すべての行動を決定づけるのです。
例えば、「障害者である自分が仕事をするとみんなに迷惑をかける」と思っていたら、当然行動は消極的になります。一方、「才能ある自分が仕事をするとみんなを幸せにできる」と思っていたら、積極的に行動できるようになります。
ADHDは才能だと繰り返し伝えているのは、皆さんのセルフイメージを変えてほしいからです。セルフイメージが変われば、人生が変わります。これは誇張ではなく、実際に多くの人が経験している事実なのです。
肩書きを先取りする
セルフイメージを変える最も効果的な方法が、やりたいことをやっている未来の自分の肩書きを先取りすることです。
一年後、三年後にこうなっていたいという姿を想像してください。そして、その自分にふさわしいかっこいい肩書きを作るのです。まだ実績がなくても構いません。先取りして名乗り、ブログやSNSで発信してください。
最初は違和感があります。「まだやってないのに、こんなこと言っていいのか」という気持ちになるでしょう。しかし、その違和感が正常なのです。変化するときには必ず違和感が伴います。その違和感を乗り越えた先に、新しい自分が待っているのです。
なりきって書き続けてください。そうすると、徐々に自分を騙せるようになります。セルフイメージが変わり、それにふさわしい行動を自然とするようになるのです。
変化を妨げる試練を乗り越える
セルフイメージを変えようとすると、必ず試練が訪れます。急に別の用事が入ってくる、誘惑が増える、家族の調子が悪くなるなど、まるで引き留められているかのような出来事が起こるのです。
これは偶然ではありません。人間は変化を嫌う生き物なので、潜在意識が変化を阻止しようとするのです。この試練が来たら、「今、正しい方向に進んでいる」と思ってください。
変化を妨げる出来事が起きたとき、「自分のやりたいことをやっているから、こんなことになったんじゃないか」と思ってしまいがちです。しかし、それは違います。変化しようとしているから、引き留めが起きているだけなのです。
この試練を乗り越えた先に、本当になりたい自分が待っています。諦めずに進み続けてください。
完璧主義を手放す
ADHDの特性を活かすために最も大切なことは何でしょうか。それは、考えずにやることです。
色々考えていると行動できません。「これを言われたらどうしよう」「あれを言われたらどうしよう」と考えていたら、ブログ一つ書けません。でも安心してください。最初のブログなど、誰も見ていません。
シェアしなければ、存在しないのと同じです。だからこそ、まずは自分のために書いてください。自分の肩書きを言いたいから書く、セルフイメージを刷り込むために書く。この程度の気持ちで始めて良いのです。
転がり抵抗という言葉があります。物を動かすとき、最初の一歩が最も重いのです。しかし、一度動き始めれば、後は楽になります。ADHDの人は本来、初動性があるはずです。だからこそ、考えすぎずに、まずやってみてください。
無理なくできることから始める
行動するときのポイントは、今の自分に無理なくできることから始めることです。
人間は大きな変化を嫌います。なるべくエネルギーを使わないように動こうとするのが自然なのです。だからこそ、いきなり大きなアウトプットを目指す必要はありません。
やりたいことから、エネルギーを使わないことから始めてください。そして、「こんなことやって意味があるのか」という思いが湧いてきたら、パーミッションを使ってください。
パーミッションとは、自分に許可を出すことです。「ブログを書いても意味がないかもしれないけれど、書いてもいい」と自分に言い聞かせてください。意味がなくても書いていいじゃないか、と思えたら、行動のハードルが下がります。
まとめ:ADHDの初動力を最大限に活かす
ADHDの衝動性や初動力は、正しく活かせば起業における大きな武器となります。マストベースではなくウォントベースで行動すること、絶対にやりたくないことを手放すこと、好きなことをビジネスに活かすこと、そしてセルフイメージを先取りすることが成功への道です。
完璧主義を手放し、無理なくできることから始めてください。変化には必ず試練が伴いますが、それは正しい方向に進んでいる証拠です。自分を信じて、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
ADHDは障害ではなく才能です。あなたの初動力を存分に発揮して、望む環境を手に入れてください。その第一歩は、今この瞬間から始められるのです。
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