今回ご紹介するのは、堀江貴文氏(ホリエモン)と共に仕事をしていたバリバリの経営者に「死ぬ気でやれ」と叱責され、そこから這い上がって月商200万円を達成した起業家の実体験です。横浜の中国料理店で繰り広げられたその厳しい指導から始まるこの物語は、ADHD的な特性を持つ多くの副業・起業志望者が直面する現実的な課題と、その意外な解決法を示す貴重な事例として注目されています。
写真は台湾のアーティスト写真とか絵!
目次
- 1 ホリエモンの元同僚からの厳しい指導が示した根性論の限界
- 2 会社員時代に感じた発達障害的な困り感
- 3 衝動性が招いた実店舗での大失敗
- 4 ADHDが陥りやすい複数事業展開の罠
- 5 朝起きられない、モチベーション維持の困難
- 6 信頼できる人からの紹介が転機となる
- 7 パーフェクトカスタマーという概念の威力
- 8 父親との口論が示した依存関係の現実
- 9 68万円の講座への決断とメンタル管理の重要性
- 10 3ヶ月後の驚きの結果と人間関係の力
- 11 生活の劇的な変化とADHDに適した働き方
- 12 「楽メンタル」がADHD的特性に与える影響
- 13 ADHD的特性を持つ人への成功事例
- 14 カンニングOKという革新的アプローチの意味
- 15 ホリエモン時代からの価値観の変化と発達障害理解
ホリエモンの元同僚からの厳しい指導が示した根性論の限界
5年前、横浜の中国料理店で一人の男性が激しく叱られていました。「甘えたこと言ってんじゃねぇ!死ぬ気でやれ」。叱っていたのは、あの堀江貴文氏と一緒に仕事をし、自身も相当な売上を上げていたバリバリの経営者でした。叱られていたのは、後に月商200万円を達成することになるこの起業家です。
この起業家がこの成功者に相談を求めたのは、まさに藁にもすがる思いからでした。民泊、物販、実店舗販売、ビジネスコンテストと様々なことに挑戦するも、全て挫折してしまった状態だったのです。元々プライドが高く、人にアドバイスを求めるような性格ではなかった彼が、恥を忍んで相談したのも、もはやどうしていいか分からない状況まで追い詰められていたからでした。
しかし、その相談の結果は期待とは正反対でした。「そのぐらいやったぐらいでやる気が出ないとか甘えてんじゃねぇ」「追い詰められて死にそうになったらもっとやるわ!」「もっと自分を追い込め!」という厳しい言葉が返ってきただけでした。この時、彼は本当に困惑し、自分にはビジネスの才能がないのではないかと感じ始めました。
今振り返ってみると、この「死ぬ気でやれ」という指導は、ADHD的な特性を持つ人には全く適さないアプローチだったのです。集中力の維持が困難で、マルチタスクが苦手、そして燃え尽きやすいという特性を持つ人に対して、根性論で解決しようとすることの限界がここに表れていました。
会社員時代に感じた発達障害的な困り感
彼がそもそも起業を志したのは、公務員向けの書類作成業務に従事していた会社員時代の深刻な困り感からでした。技術職でありながら事務作業やお茶くみをさせられ、自分の特性に合わない業務に日々苦痛を感じていました。ADHD的な特性を持つ人にとって、細かい事務作業の連続は特に辛いものです。
さらに上司たちを見ていて、年末には会社に泊まり込みで働き、家族との時間が取れない生活を送っている姿に「このまま会社にいても理想の生活は得られない」と強く感じました。定型発達の人には当たり前の会社生活が、彼にとっては耐え難いものだったのです。
そこで家業の手伝いを始めました。商品やサービスを売る経験を積めば他の職種でも使えると考えたからです。メールでの営業活動やホームページ作成など、クリエイティブな要素のある仕事により魅力を感じていました。やがてNPO法人から実店舗での販売提案を受けるまでになり、ますます会社に行く気がなくなってしまいました。
興味のあることには過集中になるが、興味のないことは全くできなくなるという典型的なADHD的特性が現れていました。結果として1年の試用期間中に休職しすぎて、会社をクビになってしまったのです。
衝動性が招いた実店舗での大失敗
会社をクビになって退路を断たれた彼は、ADHD的な衝動性から大きな勝負に出ることにしました。当時の彼は「大きなリターンを得るためには大きなリスクが必要」という思考パターンにハマっており、アルバイトを雇って有名な売り場でたくさんの商品を売ることを決めました。「ここなら絶対に売れる」という根拠のない自信に支配されていました。
これは典型的なADHD的思考パターンです。リスク評価が甘く、楽観的な見通しに基づいて大きな行動を取ってしまう傾向があります。しかし現実は残酷でした。人が全く売り場を通らず、他の売り場にも客がいない状況でした。動画を流したり、ポップで商品を紹介したり、アルバイトも頑張ってくれましたが、結局ほとんど売れませんでした。
2週間で50万円という大きな赤字を出してしまったのです。この失敗から、彼は人を雇うことの重さと、計画性の重要さを痛感しました。ADHD的な特性を持つ人は、失敗から学ぶ能力は高いのですが、同時に失敗のダメージも大きく受けやすいのです。
ADHDが陥りやすい複数事業展開の罠
大きな失敗の後、彼は典型的なADHD的な対処法を取りました。一つのことに集中できないため、複数の事業を同時展開することで不安を和らげようとしたのです。オンラインショップを5つのサイトで同時並行的に始め、「これだけたくさん出せばどこかで目が出るだろう」と考えました。
オンラインショップの結果は半年で月利1万円程度でした。1万円の商品がポツポツと売れましたが、作業量を考えると月10個が限界で、収入は10万円程度にしかなりませんでした。この現状に危機感を覚えた彼は、さらに「色んなことに手を出さなければいけない」と考え、事業をさらに多角化しようとしました。
Airbnbを使った民泊事業を始め、月に3人の外国人が泊まり、月利1万円程度を得ました。しかし布団や掃除の準備、急な宿泊希望への対応など、ADHD的な特性には向かない細かい管理業務に常に不安を抱える状況でした。地元のビジネスコンテストで優秀賞を受賞したこともありましたが、興味が続かずそのビジネスアイデアもやる気を失って中止してしまいました。
これは典型的なADHD的なパターンです。新しいことに対する興味は強いが、継続性に欠け、複数のことを同時進行しようとして全て中途半端になってしまうという特性が顕著に現れていました。
朝起きられない、モチベーション維持の困難
やがて彼は朝起きることもできなくなり、販売イベントに寝坊してしまうほど疲弊してしまいました。どうやってモチベーションを維持すればいいのか、全く分からなくなったのです。これはADHD的な特性を持つ人が陥りやすい状況です。
興味のないことや成果が見えないことに対しては極端にモチベーションが下がり、生活リズムも崩れやすくなります。一方で、定型発達の人向けに作られた「頑張れ」「気合いで乗り切れ」的なアドバイスは全く効果がありません。
冒頭のホリエモンの元同僚への相談も、他のコンサルタントへの相談も、結局は「今は頑張り時なので我慢してやってみましょう」という根性論的なアドバイスしか得られませんでした。ADHD的な特性を理解していない人からのアドバイスは、むしろ彼を追い詰める結果となったのです。
信頼できる人からの紹介が転機となる
そんな時、信頼している心理カウンセラーの先生からとある案内が届きました。その先生が推薦するコンサルタントがビジネス系の無料動画を出すというものでした。この先生は普段、人の紹介をメルマガですることはほとんどなく、しかも記事の内容はその人をベタ褒めしていました。
心理カウンセラーという、メンタル面を理解している専門家からの紹介だったことが重要でした。ADHD的な特性を持つ人にとって、信頼できる人からの情報は特に価値があります。「この人なら安心できるかも」と思って無料動画講座を見ることにしました。
その動画で学んだことは、ADHD的な特性を持つ彼にとって革命的でした。「これさえ売れば大丈夫だ」と感じる商品やサービスを作れば安心してビジネスができるという考え方でした。簡単に言えば、高額の商品を売ってしまえばいいだけ。1万円のものを30人に売るのは大変かもしれませんが、30万円のものを1人に売るのは簡単だという主張でした。
これはADHD的な特性に非常に適したアプローチでした。大量の細かい作業をこなすのは苦手ですが、1対1の深い関係性を築くことは得意だからです。また、複数のことを同時進行するより、一つのことに集中する方が結果を出しやすいという特性にも合致していました。
パーフェクトカスタマーという概念の威力
公開セミナーに参加して分かったのは、自分のビジネスに当てはめるためには「自分にピッタリのお客様(パーフェクトカスタマー)を決めること」だということでした。「お客様を自分で決めていい」という考え方は、ADHD的な特性を持つ彼にとって画期的でした。
なぜなら、ADHD的な特性を持つ人は、合わない人や環境に対して極端にストレスを感じやすいからです。嫌な人にも買いたいと言われたら売らなければ売上が上がらないと思い込んでいましたが、高額にすればお客さんの人数は少なくて済むので自分で選べることが分かりました。
また高額の商品を購入する人は本当にやる気がある意欲的な人が来るので、こちらもより頑張ろうという気持ちで取り組むことができます。ADHD的な特性を持つ人は、相手のエネルギーに大きく影響されやすいため、やる気のある人と接することで自分のパフォーマンスも向上するのです。
ただし、この講座の値段が半年で68万円という高額だったことが大きな問題でした。ADHD的な特性として、衝動的な購入をしがちな一方で、大きな金額に対しては極端に不安になることがあります。「まずは自分でやってみよう」という結論になりました。
父親との口論が示した依存関係の現実
そんな中、彼の人生を変える事件が起きました。ある商品の受注でお客さんから納品を急かされ、父親に「早く作って欲しい」と頼んだところ、口論になり、父親から「もう仕事はしない!」と言われてしまったのです。
その時彼は、「仕事しなくてもいいよ!」と言い返せませんでした。なぜなら父が商品やサービス提供をしないとお金が入ってこないからです。この時、会社から独立したいと思っていたのに、結局は父親から独立していないことに気づいたのです。
ADHD的な特性を持つ人は、自立への強い欲求を持つ一方で、実際には依存関係を作りやすい傾向があります。彼の場合も、表面的には起業して独立したように見えても、実際には父親への依存から抜け出せていませんでした。
この経験が、真の自立への強烈な動機となりました。自分で全てをコントロールできない状態、すなわち誰かの意思で自分のビジネスが左右される可能性がある状態では、ADHD的な特性を持つ人は特に強い不安を感じてしまうのです。
68万円の講座への決断とメンタル管理の重要性
「ビジネスを自分1人で回せるようにならないといけない」と痛烈に感じた彼は、やっぱり高額講座に入った方が良いのではないかと考え始めました。入れば安心して楽なメンタルでビジネスができるのではないかと感じましたが、人生で一度も高額なものを支払ったことがなく、しかも貯金もほとんどない状態で、めちゃくちゃ怖かったのも事実でした。
そこで「入った場合、入らない場合」で最悪のケースをホワイトボードに書き殴りました。これは非常にADHD的なアプローチです。頭の中だけで考えるのが苦手なため、視覚化して整理することで判断しやすくなるのです。
講座に入らなかった場合、このまま依存して父親とともにダメになり、お金がなくなって会社に戻って働くというイメージが浮かびました。入った場合の最悪のケースは、結局入っても結果が出なくて稼げないことでした。
メンターに「結果が自分だけ出ないのは怖いです」と相談すると、ADHD的な特性に適した重要なアドバイスを受けました。「ビジネスは10回やればどれか当たるから、結果が出なければまた別のビジネスをやればいい」という考え方です。
これは完璧主義に陥りがちなADHD的な特性を持つ人にとって、非常に重要な視点でした。1回で当てようとしないこと、大事なのは「続けられること」、そして楽な気持ち(楽メンタル)でビジネスに取り組めることが重要だと教わりました。
3ヶ月後の驚きの結果と人間関係の力
心配症の彼は、やりたいと思っていた副業や独立支援のセミナー・コンサルティング事業で本当に結果が出せるか不安でした。全然稼いでいない、すごくない自分がゼロから作った商品やサービスを売っても売れないと思っていたからです。
しかし事業を始めて3ヶ月後には24万円の商品を3人に売り、72万円を受注しました。この時「実際に高い商品でも売れるんだ」と実感しました。そして、ADHD的な特性を持つ人にとって非常に重要なことに気づきました。
お客さんは商品ではなく、どんな人が売っているかにしか興味がないということです。自分が安心できる人、理解されたと思う人だったら、商品に関係なく買うことが分かったのです。実は売る時に細かい商品の説明をしていませんし、まだその時は商品も作っていませんでした。それでも売れてしまったのです。
これはADHD的な特性を持つ人の大きな強みでした。細かい商品スペックや論理的な説明は苦手でも、人との感情的なつながりを作ることは得意だったのです。その後も行動を継続していくと、9ヶ月目には月収100万円、現在では月商200万円を突破しています。
生活の劇的な変化とADHDに適した働き方
現在の彼の生活はガラリと変わりました。会社員時代は毎日満員電車に乗って嫌な思いをして通勤し、自分でビジネスを始めてからも色んな交流会に参加して忙しい毎日を送っていました。しかし今は通勤の必要がなく、カフェや自宅で集中して作業できる生活にシフトしました。
最近はカフェに行くのも面倒になって、ほとんど家に引きこもって作業をしています。これは一見するとネガティブに聞こえるかもしれませんが、ADHD的な特性を持つ人にとっては理想的な働き方です。外部刺激を遮断して、自分のペースで集中できる環境を手に入れたのです。
ビジネスが安定したことで、趣味に没頭できる時間の余裕もできるようになりました。昔はビジネスのことで余裕がなく趣味なんてできる生活ではありませんでしたが、過集中できる趣味の時間を確保できたことで、メンタル面でも大きく改善しました。
外国人と遊ぶ生活になったのも、ADHD的な特性を活かした結果です。多様性のある環境や刺激的な人間関係を求める傾向が、豊かな生活につながったのです。
「楽メンタル」がADHD的特性に与える影響
この経験から彼が学んだことは、自分でゼロから「これだけ売ってれば大丈夫だ!」と思える「楽メンタルなビジネス」を一つ作ればいいということでした。これはADHD的な特性を持つ人にとって革命的な発見でした。
今まで色んな副業をやればそのうちそれぞれ稼げるようになって上手くいくと考えていましたが、どれも大抵中途半端になって結果が出ないという状態でした。色んなビジネスに取り組むことがダメな理由は、「たくさん行動しなければならない」という苦しいメンタルで副業をするようになるからです。
ADHD的な特性を持つ人は、プレッシャーに弱く、「やらなければならない」という義務感では動けません。それで行動できない自分を責めてより苦しいメンタルになるという悪循環に陥ります。特にメンタルが不安定になりやすい特性があるため、不安に耐えられず、夜眠れなくなって余計にパフォーマンスが落ちてしまうのです。
しかし行動できる人(多くは定型発達の人)に相談しても「やる気を出せ」としか言われません。ADHD的な特性を理解していない人からのアドバイスは、むしろ逆効果になってしまうのです。
ADHD的特性を持つ人への成功事例
彼だけでなく、同じようにADHD的特性を持つ仲間にも楽メンタルで稼げる方法を伝えると成果が出ています。休職していた男性は整体が好きでしたが、店舗からビジネスをするには最低でも数百万円はかかってしまう不安を抱えていました。
この男性も典型的なADHD的な特性を持っており、大きな初期投資への不安と、複雑な店舗運営業務への恐怖心を抱いていました。しかし楽メンタルになれるビジネスの方法を伝えると、独自セミナーを2ヶ月で開催し、1年後には会社を独立する生活を手に入れました。
また会社でいつも怒られていた女性も、ADHD的な特性から細かいミスが多く、自信を失っていました。そんな自分にビジネスができるか不安でしたが、楽メンタルなビジネスの構築法を教えたところ、3ヶ月後にお金が稼げるようになりました。
これらの成功事例に共通するのは、ADHD的な特性を「欠点」として捉えるのではなく、適切な環境とアプローチを提供することで「強み」として活かせるということです。
カンニングOKという革新的アプローチの意味
彼が提唱する楽メンタルでビジネスをする方法は、「○○をパクれば大丈夫」という安心できる他人のビジネスを見つけることです。これは一見すると単純に聞こえるかもしれませんが、ADHD的な特性を持つ人にとっては非常に重要なアプローチです。
ADHD的な特性を持つ人は、ゼロから何かを作り上げることに対して強い不安を感じがちです。また、完璧主義的な傾向もあるため、最初から完璧なオリジナルを作ろうとして挫折してしまうことが多いのです。
しかし「カンニングOK」というアプローチなら、既に成功している安全なモデルをベースにできるため、不安が大幅に軽減されます。ビジネスはカンニングOKで、自分が安心できると感じた商品とやり方だけマネして、そのビジネスに自分流のアレンジを少し加えればいいという考え方です。
実際彼自身の起業塾は、メンターの起業塾をメンタル面のサポートを強化してADHD的特性を持つ人向けにアレンジしているだけです。完全にオリジナルである必要はなく、既存の成功モデルを自分なりに改良することで、楽メンタルを維持しながらビジネスを構築できるのです。
ホリエモン時代からの価値観の変化と発達障害理解
ホリエモンの元同僚から「死ぬ気でやれ」と叱られたあの日、彼は自分にビジネスの才能がないと落ち込みました。しかし今振り返ってみると、あの厳しい指導は従来の「根性論」的なビジネス観の象徴だったのです。
堀江貴文氏の時代は、とにかく根性と気合いで乗り切る文化が強かったかもしれません。しかし現代では、発達障害やADHD的特性への理解が進み、多様な働き方や成功のパターンが認められるようになってきています。
彼が最終的に見つけた答えは、死ぬ気で頑張るのではなく、楽メンタルで継続できる仕組みを作ることでした。1つの安心できるビジネスモデルに集中し、精神的負担を軽減する仕組みを作り、継続可能な運営方法を確立する。この「楽メンタル」アプローチこそが、ADHD的特性を持つ人にとって最適な起業の道筋なのです


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